2021.09.06
  • モンガク谷2019 桧 – Hinoki –
  • フィールドブレンド・シリーズ「モンガク谷」の杤に続くピノノワール主体の新しいアイテム「桧(ひのき)」。

    赤仕込を目標として位置付けられたアイテムだが、木樽の導入叶わず、2019は白仕込(ブラン・ド・ノワール)。

    2019杤よりもピノノワール比率が高く(8割)、第二品種がシャルドネ、ピノグリ、ソーヴィニヨンブラン、2018杤にやや近いセパージュとなっていますが、ブランデーを彷彿とさせる濃い目の色調、口に含んだ際の重厚な存在感と甘やかな印象がこれまでの「モンガク谷」とは一線を画します。

    私たちの大好きな北海道、そしてここ余市町が、魅力あふれる注目のワイン産地として、世界での存在感をより一層、そして末長く発揮できるよう願いを込めて

     

    【 DATA 】

    ・Brix 23.1、pH 3.35
    ・セパージュ:ピノノワール80%、シャルドネ10%、ピノグリ4%、ソービ二ヨンブラン他6%
    ・収穫日:2019年10月20~25日
    ・澱引日:2020年 8月30日
    ・瓶詰日:2020年 9月16日
    ・アルコール分 13.5%
    ・MLF 有
    ・内容量 750㎖
    ・生産本数 1,072本(ロウ色:薄桃系)

     

    【 テイスティングコメント 】

    色は透明感のあるややオレンジがかった強めの黄金色。香りは、ブランデー入りモンブランのようなマロンのニュアンス、バナナのような甘みの強い果実、シトラス、べっ甲のような香ばしさ、バニラ、熟した桃、全体として繊細ながら、甘く濃厚で複雑な印象。
    味わいは、ハチミツ、ドライフルーツのような甘やかな蜜っぽさの中に、穏やかな酸と柑橘のような心地よい苦味、スパイシーさ、ほのかな旨味と複雑さ。余韻は中程度からやや長め。
    辛口、ミディアムボディー。提供温度は室温に近くやや高め。
    (2021年1月9日時点)

    自園(北海道余市町登地区)で手摘み収穫した原料ブドウ(平均樹齢7年)を、除梗破砕せず全房のまま、密閉型バルーン式プレス(Sraml社製、1100L)にて圧搾、開放型ステンレスタンクにて野生酵母による発酵、澱を例年より多めに残す。2019年12月13日に主発酵(アルコール発酵)終了を確認。翌夏MLF完了後、澱引き、瓶詰。メタカリ(亜硫酸塩)を果汁段階(10)、澱引段階(20)で添加(総添加量30ppm)。コルク打栓後、蝋封シール(コルク種:DIAM10、ロウ色:薄桃系)。

     

    【 桧について 】

    英名 :Japanese (Hinoki) cypress
    分類 :ヒノキ科ヒノキ属
    原産等:日本と台湾の一部にのみ自生
    誕生花:11/15、12/31
    花言葉:不滅、不老、不死、固い友情、強い忍耐力
    その他:・大変長寿の木、日本では木曽に樹齢450年、台湾には2000年超が自生
    ・建材として最高品質、神社仏閣、仏像に利用、加工が容易、緻密で狂
    いがなく、日本人好みの強い芳香を長期にわたって発する。正しく使
    われたヒノキ建築には1000年を超える寿命を保つものあり(例:法隆
    寺1300年)
    ・尊く最高のものを表す「日」をとって「日の木」、古代において火を
    おこすのに用いたことから「火の木」が由来説
    ・水はけの良い場所(尾根)を好み、寒暖差がその品質を高めるという
    点においてワインブドウと類似している

     

    【 2019シーズン所感 】

    2019シーズンは、昨年とは打って変わって、初夏の開花期に良好な開花結実を迎えることが出来ました。その後の好天がブドウの熟度を例年以上に高めてくれたものの、収穫期までに急激に灰色カビ病が多発し、特にピノノワールに於いてこれまでに経験したことの無いほど広がり、多くの貴腐果が発生した事から、選果収穫にかつてない時間が費やされるシーズンとなりました。

    独立後2度目の仕込となる今期、収穫後の仕込自体は順調に進み、2018に課題となった「MLF」も全てのアイテムで従来通り問題無く完了。ただ、例年とは違い、収穫に時間を要したことから、かつてなくアルコール分が高く(13%平均)、酸がやや穏やかなものの、苦味、複雑さ、バランスのとれた辛口白ワインに仕上がりました。

    また、2019は亜硫酸を従来より低減している(40→30ppm)ことから、全体的に纏まりが出て飲みやすくなるタイミングが、例年より早くなるものと予想されます。アイテム数が増えた2019、この産地をより一層感じ、お楽しみ頂く一助になればと思います。

    ※2021には、新樽の導入が叶ったこともあり、フィールドブレンドの赤ワイン(ピノノワール+ピノタージュ)を本格的に仕込む計画。その土台作りのために2020極小ロットを「手除梗」&「全房」に分け、実験中、今後の仕込方法の確立に向けイメージを膨らませ準備予定。