2020.08.19
お知らせ
  • モンガク谷2018 栢 haku のご紹介
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    注)2018はオンラインショップでの販売はしておりませんので、全国の取扱酒販店様でどうぞお求めください。

    2018から「ワインの名称」を私たちの大好きな「木」の名前としそれをシリーズ化

    数多あるワインにそれぞれ個性があるように、「木」にもそれぞれ個性があります。
    木の個性に「ワイン」と「思い」を重ねて命名しました。2018は杤と栢
    全国津々浦々には、木をはじめとする「自然物」の名前にちなんだ、珍しい地名や人名も数多く存在、日本らしさが表現される一つの形だと捉えています。私たちのワインが少しでも多くの、各地の方々にお受け止め頂き、そして向かい合って頂けたら幸いです

    【1】モンガク谷2018 栢 haku

    フィールドブレンド・シリーズ「モンガク谷」のシャルドネ主体の新しいアイテム、「栢
    (はく)」。古くから神聖な木とされている「柏(かしわ)」と同意(詳細は後述)。
    これまでの「モンガク谷」のスタイルが継承されつつも、極辛口シャンパーニュのような、ブドウ本来の味わいを活かした繊細でシャープ、軽やかだが深い味わいは食事との相性が良好。しっかりと冷やし、ワインクーラーなどで低めの温度を保ってお楽しみください。皆様に親しんで頂きやすいワインになりますよう願いを込めて。

    Brix 21.4、pH 3.22
    セパージュ:シャルドネ59%、ピノノワール36%、ソーヴィニヨンブラン他5%
    収穫日: 2018年10月26日
    澱引日: 2019年 9月12日
    瓶詰日: 2019年10月11日
    アルコール分12.0%、MLF有、内容量750㎖、生産本数696本(ロウ色:黄系)
    テイスティングコメント:色はやや淡い透明感のあるレモンイエロー。香りはレモン、グレープフルーツのようなシトラス系、ハチミツ、バター、シイタケ、味わいはスパイシー、冷涼産地らしい酸、ほのかな旨味、ヨード、複雑さ。余韻は中程度。極辛口。ライト~ミディアムボディー。提供温度13~15℃のやや低め。ボルドーグラス。ペアリングは、ミネラル豊かな岩塩、旨味のある醤油、ゴルゴンゾーラ、揚ごぼうのマリネ、山菜の天ぷら(2020年8月10日時点)

    自園(北海道余市町登地区)の一枚畑で手摘み収穫した原料ブドウ(平均樹齢4年)を、除梗破砕せず全房のまま、密閉型バルーン式プレス(Sraml社製、1100L)にて圧搾、開放型ステンレスタンクにて野生酵母による発酵、澱をやや多めに残す。2019年3月4日に主発酵(アルコール発酵)終了を確認。同月MLF完了確認後、澱引き、瓶詰。メタカリ(亜硫酸塩)を果汁段階(10)、澱引段階(30)で添加(総添加量40ppm)。コルク打栓後、蝋封シール(コルク種:DIAM10、ロウ色:黄系)。

    < 栢(柏)について >

    英名 :Daimyo Oak
    分類 :ブナ科コナラ属
    原産等:日本・東南アジア
    誕生花:2/19、9/27
    花言葉:勇敢 自由 愛想の良さ 独立 愛は永遠に 歓待
    その他:・栢(はく)はどんぐりの木「柏(かしわ)」の異体字
    ・翌年新芽が出るまで落葉しない特性から代が途切れない「縁起物」とされる
    ・昔飲食物を盛るのに用いられた(葉を塩漬けにして柏餅を包む)等

    【2】2018シーズン所感

    2018シーズンは、これまでにない大変厳しい年になりました。
    春からの順調なシーズン滑り出しでしたが、開花時期おいて、冷気の流入による低温の進行と、当地において標高の特に高い当園での遅めの開花期がまともに重なったことから、良好な受粉が行われず、予定収量の約70%減少という燦燦たる結果になりました。秋には台風による強風で一部垣根に被害が出たものの、その後好天に恵まれたことにより、良好な状態で収穫を迎えることが出来ました。冷涼産地らしい酸、苦味、複雑さ、バランスのとれた辛口白に仕上がった2018は、2アイテム(杤と栢)となります。

    最後になりましたが、これまでの2015~2017の委託醸造品を「ワイナリー設立応援価格」として、多くの皆様方に、様々な形でご支援を頂戴したお陰で、漸くこのスタート台に立つことが出来ました。 この場をお借りしまして、心より御礼申し上げます。
    また、多くの皆様方の声を受け、条件が揃えば、今後は少量ながら赤などアイテムを増やすことを考えております。この産地をより一層感じ、お楽しみ頂く一助になればと願っております。
    ※参考:2019は更に2種増え、計4アイテムを今冬中迄にリリースする予定です

    【3】ワイナリー自己紹介

    モンガク谷ワイナリーは、2018年に始まった北海道余市町登地区にある「フィールド・ブレンド」に特化したワイナリーです。ワイナリー建屋は、札幌軟石の外壁で囲まれた半地下の石蔵造り。2018より順次アイテムを増やし、フィールドブレンド・シリーズ「モンガク谷」を展開して参ります。皆様に余市におけるフィールドブレンドの可能性と奥深さを感じて頂けたら幸いです

    ●私たちのワイン造りについて

    私たちは、標高の高い自社一枚畑に異なる品種を植え、7品種のブドウを「混醸(こんじょう)」、主に以下3点をイメージ、野生酵母による自然なワイン造りを目指しています

    1.冷涼産地らしい酸味
    2.適度な苦味
    3.複雑な香味

    ※「混醸」・・・ 複数の原料品種を少なくとも発酵初期段階までに混ぜて醸造すること
    ※「7品種」・・・ピノノワール、シャルドネ、ピノタージュ、ピノグリ、ソーヴィニヨンブラン、ピノブラン、ゲヴェルツトラミナー
    ※当方ワインは、無濾過・無清澄のため、瓶内にオリや酒石、また若干の気泡が出やすくなっています。ややにごりを感じるかもしれませんが、品質には問題ございません。

    ●ラベルのデザインについて

    ご好評頂いた、絵本「モチモチの木」に因んだ従来のラベルをリニューアルしました
    原画が山の神様の「夜祭り」が表現されたシーンであることからシックなトーンへ
    臆病な幼子の勇気が描かれており、絵本の英名は「The tree of courage」(勇気の木)
    コロナの影響や異常気象など、不透明な世の中になりつつありますが、元気と勇気
    次の世代のためにも、明るく、焦らず、じっくりと皆さんと歩んで行きたいです

    ●畑・栽培について

    <栽培について>
    栽培品種はフランス系品種のみ、ピノノワールをはじめ、シャルドネ、ピノタージュ、
    ピノグリ、ソーヴィニヨンブラン、ピノブラン、ゲヴェルツトラミナーの計7種。2012年より段階的に苗木を定植。品種に限らず、クローンや台木、接木か自根など、ブドウ畑内に於いても出来る限り多様性を高めている。
    低投入・低環境負荷・不耕起草生栽培を基軸とした、有畜循環型農業を志す。無農薬・無肥料からスタート、栽培3年目からオーガニック認定農薬(ボルドー液、納豆菌等)等を基軸に、原則年1回化学系殺虫剤を使用(初春のウスミドリカスミカメ対策として。2020は不使用)。液肥・堆肥を自家調合(海と山の循環を鑑み、積丹半島のブランドウニ(エゾバフンウニ、キタムラサキウニ)の、非常にミネラル豊富なウニ殻を一定期間風化させたもの、もみ殻、木質チップ等を利活用)。11ヘクタールの広大な園地では季節ごとに様々な恵み(山菜、キノコ、ジビエ)が得られる。土壌などに暮らす目に見えない微生物や酵母たちをはじめ、生き物たちとブドウ畑、そこに暮らす人とが、季節ごとに一体感のある農園作りを目指す。

    <畑について>
    北海道・積丹半島の付け根に位置する余市町登町にある、起伏に富む丘陵地帯の、東からやや北向きの緩やかな斜面。モンガク谷の頂部付近に在る、余市・仁木エリアで最も南方に、かつ最も標高の高い畑(海岸線より約5㎞、標高130~140m前後、約2ヘクタール)。元々耕作放棄地だった果樹園(15年近く放置)を排水工事のうえ再生したもの。
    5万分の1地質図幅「仁木」によれば、モンガク谷周辺の地質は、新第三紀層積丹層群に含まれる余市川累層の凝灰質砂岩(地質図中の「Yu」層、安山岩、安山岩質凝灰岩礫岩及び粗粒玄武岩を伴う)と呼ばれる堆積岩が分布(一部、緑色凝灰岩Green tuff等を伴う)。表層には第四紀の赤井川ローム層と呼ばれる風化した赤色の粘土が堆積、とされる。
    一方、同一畑内でも場所により土質や特徴にバラツキが見られる。