2021.02.01
お知らせ
  • モンガク谷2019 杤 tochi のご紹介
  • 注)2019はオンラインショップでの販売はしておりませんので、全国の取扱酒販  店様でどうぞお求めください。

    2018から「ワインの名称」を私たちの大好きな「木」の名前としそれをシリーズ化

    数多あるワインにそれぞれ個性があるように、「木」にもそれぞれ個性があります。木の個性に「ワイン」と「思い」を重ねて命名しました。2019は杤(とち)、栢(はく)、楢(なら)、桧(ひのき)。全国津々浦々には、木をはじめとする「自然物」の名前にちなんだ、珍しい地名や人名も数多く存在、日本らしさが表現される一つの形だと捉えています。私たちのワインが少しでも多くの、各地の方々にお受け止め頂き、そして向かい合って頂けたら幸いです

    【1】モンガク谷2019 杤 tochi

    フィールドブレンド・シリーズ「モンガク谷」のフラッグシップワイン、「杤(とち)」。従来(2015~17)のモンガク谷にあたる、ピノノワール主体のアイテム。ラベル原画として採用された、絵本「モチモチの木」に出てくるシンボルツリーがこの「杤」の木で、別名「七葉樹(しちようじゅ)」。7品種から織りなされる「杤」の「繊細さ」と「複雑さ」、そしてその「可能性」に向かい合って頂けたら幸いです。

    可能な限りの亜硫酸添加量の低減に向けた、自家取組を継続中で、2018と比べ10ppm引下げ(今回30ppm)。試飲時点では、まるで樽熟したかのような熟成感が感じられるものの、未だ硬く、纏まりが出て開いてくるには少なくとも1~2年ほど時間を要する印象。3~4年後の抜栓により、その高いポテンシャルが開花すると期待されます。

    Brix 21.6、pH 3.35
    セパージュ:ピノノワール75%、ピノグリ8%、ソービニヨンブラン7%、シャルドネ5%、ゲヴェルツトラミナー他5%
    収穫日: 2019年10月17~26日
    澱引日: 2020年8月29日
    瓶詰日: 2020年 9月22日
    アルコール分12.5%、MLF有、内容量750㎖、生産本数2,703本(ロウ色:青系)

    テイスティングコメント:色は透明感のある淡い黄金色。香りは、ほのかなシトラスの中に、パインのようなトロピカルフルーツ、ハチミツ、洋ナシのコンポート、熟した桃、ハーブ、ほのかに樹木、繊細ながら非常に複雑。味わいは心地よい苦味の中に、スパイシーさと塩味、穏やかな酸、ナッツのような甘み、香ばしさ、ほのかな旨味と複雑さ、長い余韻。辛口、ミディアムボディー。提供温度は16~18℃程度。抜栓直後は硬くやや不安定なものの、翌日など時間を置くと徐々に開いてくる。(2021年1月9日時点)

    小売希望価格 4,200円/本(税抜)

    自園(北海道余市町登地区)の一枚畑で手摘み収穫した原料ブドウ(平均樹齢7年)を、除梗破砕せず全房のまま、密閉型バルーン式プレス(Sraml社製、1100L)にて圧搾、密閉型ステンレスタンクにて野生酵母による発酵、澱をやや多めに残す。2019年12月13日に主発酵(アルコール発酵)終了を確認。翌夏MLF略完了後、澱引き、瓶詰。メタカリ(亜硫酸塩)を果汁段階(10)、澱引段階(20)で添加(総添加量30ppm)。コルク打栓後、蝋封シール(コルク種:DIAM10、ロウ色:青系)。

    < 杤について >

    英名 :Japanese Horse-chestnut
    分類 :トチノキ科トチノキ属
    原産等:日本にのみ自生、特に冷涼な東北・北海道南部に多い
    誕生花:5/21
    花言葉:贅沢 豪奢 大才 博愛 健康
    その他:・別称は「七葉樹(しちようじゅ)」、小葉が7枚であることに由来
    ・十(とお)と千(ち)を掛ければ万になることから「とちの木」を意
    味する「杤」という字が成立、十と千は「たくさんあること」を表す
    ・パリのシャンゼリゼ通りの街路樹で有名な「マロニエ」は近縁種。栗
    の仲間との誤解と欧州で馬の治療薬に用いられた事から「ウマグリ」
    とも呼ばれる

    【2】2019シーズン所感

    2019シーズンは、昨年とは打って変わって、初夏の開花期に良好な開花結実を迎えることが出来ました。その後の好天がブドウの熟度を例年以上に高めてくれたものの、収穫期までに急激に灰色カビ病が多発し、特にピノノワールに於いてこれまでに経験したことの無いほど広がり、多くの貴腐果が発生した事から、選果収穫にかつてない時間が費やされるシーズンとなりました。独立後2度目の仕込となる今期、収穫後の仕込自体は順調に進み、2018に課題となった「MLF」も全てのアイテムで従来通り問題無く完了。ただ、例年とは違い、収穫に時間を要したことから、かつてなくアルコール分が高く(13%平均)、酸がやや穏やかなものの、苦味、複雑さ、バランスのとれた辛口白ワインに仕上がりました。また、2019は亜硫酸を従来より低減している(40→30ppm)ことから、全体的に纏まりが出て飲みやすくなるタイミングが、例年より早くなるものと予想されます。アイテム数が増えた2019、この産地をより一層感じ、お楽しみ頂く一助になればと思います。

    ※2020は新樽の導入が叶ったこともあり、一部を木樽熟成中(白)。2021にはフィールドブレンドの赤ワイン(ピノノワール+ピノタージュ)を本格的に仕込む計画。その土台作りの為に2020極小ロットを「手除梗」&「全房」に分け、実験中、今後の仕込方法の確立に向けイメージを膨らませ準備予定。

     

    【3】ワイナリー自己紹介

    モンガク谷ワイナリーは、2018年に始まった北海道余市町登地区にある「フィールド・ブレンド」に特化したワイナリーです。ワイナリー建屋は、札幌軟石の外壁で囲まれた「半地下の石蔵造り」。2018より順次アイテムを増やし、フィールドブレンド・シリーズ「モンガク谷」を展開して参ります。皆様に北海道・余市におけるフィールドブレンドの可能性と奥深さを感じて頂けたら幸いです

    • 私たちのワイン造り

    私たちは、標高の高い自社一枚畑に異なる品種を植え、7品種のブドウを「混醸(こんじょう)」、主に以下3点をイメージ、野生酵母による自然なワイン造りを目指しています

    1.冷涼産地らしい酸味
    2.適度な苦味
    3.複雑な香味

    ※「混醸」・・・ 複数の原料品種を少なくとも発酵初期段階までに混ぜて醸造すること
    ※「7品種」・・・ピノノワール、シャルドネ、ピノタージュ、ピノグリ、ソーヴィニヨンブラン、ピノブラン、ゲヴェルツトラミナー
    ※当方ワインは、無濾過・無清澄のため、瓶内にオリや酒石、また若干の気泡が出やすくなっています。ややにごりを感じるかもしれませんが、品質には問題ございません。澱・酒石が気になる場合は、必要に応じてデキャンタージュをお願い致します。

    • ラベルのデザイン

    ラベルとして選ばれた絵本の原画が山の神様の「夜祭り」を表現したシーンであることから、2018の自家醸造開始を機に、従来のラベルをシックなトーンに更新

    色とりどりの丸玉は集った神様たち、お月様を背後に佇むシンボルツリーの杤(とち)の木と神様たちが表現された夜景が、まるでクリスマスツリーのよう 7つの品種から1本のワインとして生み出されるモンガク谷のフィールドブレンドのイメージがこの原画にシンクロすることからラベル原画として採用されました

    また、臆病な幼子の勇気が描かれたこの絵本の英名は「The tree of courage」(勇気の木) コロナ禍の影響がまだ尾を引き不透明感が続いておりますが、必ず好転すると信じていますので、厳冬の中、春を待つブドウの芽のように、辛抱強くじっと待ちたいと思っています

    次の世代のためにも、日常の中のほんの小さな、自分だけのチャレンジを慈しみ、そして明るく、焦らず、じっくりと歩んで行きたいものです

     

    • 畑・栽培について

    <栽培について>

    栽培品種はフランス系品種のみ、ピノノワールをはじめ、シャルドネ、ピノタージュ、ピノグリ、ソーヴィニヨンブラン、ピノブラン、ゲヴェルツトラミナーの計7種。2012年より段階的に苗木を定植。品種に限らず、クローンや台木、接木か自根など、ブドウ畑内に於いても出来る限り多様性を高めている。

    低投入・低環境負荷・不耕起草生栽培を基軸とした、有畜循環型農業を志す。無農薬・無肥料からスタート、栽培3年目からオーガニック認定農薬(ボルドー液、納豆菌等)等を基軸に、原則年1回化学系殺虫剤を使用(初春のウスミドリカスミカメ対策として。2020は不使用)。液肥・堆肥を自家調合(海と山の循環を鑑み、積丹半島のブランドウニ(エゾバフンウニ、キタムラサキウニ)の、非常にミネラル豊富なウニ殻を一定期間風化させたもの、もみ殻、木質チップ等を利活用)。11ヘクタールの広大な園地では季節ごとに様々な恵み(山菜、キノコ、ジビエ)が得られる。土壌などに暮らす目に見えない微生物や酵母たちをはじめ、生き物たちとブドウ畑、そこに暮らす人とが、季節ごとに一体感のある農園作りを目指す。

     

    <畑について>

    北海道・積丹半島の付け根に位置する余市町登町にある、起伏に富む丘陵地帯の、東からやや北向きの緩やかな斜面。モンガク谷の頂部付近に在る、余市・仁木エリアで最も南方に、かつ最も標高の高い畑(海岸線より約5㎞、標高130~140m前後、約2ヘクタール)。元々耕作放棄地だった果樹園(15年近く放置)を排水工事のうえ再生したもの。
    5万分の1地質図幅「仁木」によれば、モンガク谷周辺の地質は、新第三紀層積丹層群に含まれる余市川累層の凝灰質砂岩(地質図中の「Yu」層、安山岩、安山岩質凝灰岩礫岩及び粗粒玄武岩を伴う)と呼ばれる堆積岩が分布(一部、緑色凝灰岩Green tuff等を伴う)。表層には第四紀の赤井川ローム層と呼ばれる風化した赤色の粘土が堆積、とされる。
    一方、同一畑内でも場所により土質や特徴にバラツキが見られる。