2021.02.01
お知らせ
  • モンガク谷2019 楢 nara のご紹介
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    注)2019はオンラインショップでの販売はしておりませんので、全国の取扱酒販店様でどうぞお求めください。

    2018から「ワインの名称」を私たちの大好きな「木」の名前としそれをシリーズ化

    数多あるワインにそれぞれ個性があるように、「木」にもそれぞれ個性があります。木の個性に「ワイン」と「思い」を重ねて命名しました。2019は杤(とち)、栢(はく)、楢(なら)、桧(ひのき)。全国津々浦々には、木をはじめとする「自然物」の名前にちなんだ、珍しい地名や人名も数多く存在、日本らしさが表現される一つの形だと捉えています。私たちのワインが少しでも多くの、各地の方々にお受け止め頂き、そして向かい合って頂けたら幸いです

    【1】モンガク谷2019 楢 nara

    フィールドブレンド・シリーズ「モンガク谷」のピノタージュ主体の新しいアイテム、「楢(なら)」。日本においても、未だほとんど栽培されていない無名とも言える品種、「ピノタージュ」の、「モンガク谷」におけるその可能性をチャレンジングに探るシリーズとの位置付け。ヨーロッパにおける「オーク(楢)の存在」(※)のように、皆様に寄り添って頂けるような、驚きと感動を与えられる新しいワイン造りに挑戦します。

    試飲時点では、最も透明度が高く、これまでの「モンガク谷」ではあまり感じられなかった、フローラルな香りに包まれ、また蜜のような甘やかな印象。果皮に大きな特徴があるこの品種を今後どのように料理していくか、今後の仕込方法や向き合い方などに大いなる期待感を感じさせてくれた仕上がりです。抜栓のタイミングについては、楢のつくりである「酋」の字のように長く熟成させることで(※、2~4年)、熟成感と口当たりに変化が出てお楽しみ頂けると思います。世界でも稀にみるピノタージュ主体のブラン・ド・ノワール。今後にご期待ください。

    ※「オーク」:
    古来、ヨーロッパの人々はこの木の木陰を住みかとし、この木から滴らせる蜜をなめ、その果実であるどんぐりを挽いてパンを作り、養豚の飼料にはどんぐりを与え、その大きな枝で小屋をつくり、さらにはオーク材を用いて堅固な船をつくるなど、たくさんの恩恵をオークから受け取っていました。オークの豊かな森が、人類に食料を与えることで、人はそこを集落とし、定住した森で豚を飼い、材としてのオークを利用することで住居をつくり、やがて道路や船を作りました。人類の歴史はオークとともにあり、農業文明、産業文明はオークととも育ったと言えます(引用)。

    ※「ピノタージュ」:
    1925年南アフリカ・ステレンボッシュ大学で交配・開発された品種。フランス品種であるピノノワール及びサンソーを交配させたことから、当方ではフランス系品種と位置付けています。1960年代に入って初めての商品が上市された、市場でも評価の分かれる、歴史の浅いマイナー品種。

    ※「酋」:楢のつくり(旁)で、「長い間熟成させた酒」、の意味がある

    Brix 22.4、pH 3.41
    セパージュ:ピノタージュ65%、ピノノワール23%、シャルドネ6%、ピノグリ他6%
    収穫日: 2019月11月 1日
    澱引日: 2020年 8月30日
    瓶詰日: 2020年 9月15日
    アルコール分13.0%、MLF有、内容量750㎖、生産本数1,108本(ロウ色:緑系)

    テイスティングコメント:色は透明感のある淡い黄金色。香りは甘やかな南国のフローラルノート、パイン、パパイヤ、パッションフルーツのようなトロピカルフルーツ、バニラ、ハチミツ。味わいはグレープフルーツの皮のような苦味の中に、スパイシーさ、軽い渋みと酸、香りに対して比較的すっきりとした味わい。余韻は中程度。辛口、ミディアムボディー。提供温度は14~16℃程度、温度を高めにすると香りの立ちがいい。(2021年1月9時点)

    小売希望価格 3,200円/本(税抜)

    自園(北海道余市町登地区)で手摘み収穫した原料ブドウ(平均樹齢4年)を、除梗破砕せず全房のまま、密閉ルーン式プレス(Sraml社製、1100L)にて圧搾、開放型ステンレスタンクにて野生酵母による発酵、澱を例年より多めに残す。2019年12月13主発酵(アルコール発酵)終了を確認。翌夏MLF終了確認後、澱引き、瓶詰。メタカリ(亜硫酸塩)を果汁段階(10)、澱引段階(20)で添加(総添加量30ppm)。コルク打栓後、蝋封シール(コルク種:DIAM10、ロウ色:緑系)。

    < 楢について >

    英名 :Japanese Oak
    分類 :ブナ科コナラ属
    原産等:北海道から九州に至る日本全国、アジア北東部に分布
    誕生花:2/19、9/5、9/27
    花言葉:歓待、愛国心、勇敢、自由
    その他:・壺から「酒の香気」があふれる象形から楢という字が成り立つ
    ・古都「奈良の都」の周囲にこの木の林が出来たのが由来とする説あり
    ・酒造りの長(おさ)や一族を束ねる長のこと
    ・ヨーロッパの木々の中でひと際大きく立派になるため「森の王」と呼
    ばれ、生命力や長寿の象徴として崇められてきた

    【2】2019シーズン所感

    2019シーズンは、昨年とは打って変わって、初夏の開花期に良好な開花結実を迎えることが出来ました。その後の好天がブドウの熟度を例年以上に高めてくれたものの、収穫期までに急激に灰色カビ病が多発し、特にピノノワールに於いてこれまでに経験したことの無いほど広がり、多くの貴腐果が発生した事から、選果収穫にかつてない時間が費やされるシーズンとなりました。独立後2度目の仕込となる今期、収穫後の仕込自体は順調に進み、2018に課題となった「MLF」も全てのアイテムで従来通り問題無く完了。ただ、例年とは違い、収穫に時間を要したことから、かつてなくアルコール分が高く(13%平均)、酸がやや穏やかなものの、苦味、複雑さ、バランスのとれた辛口白ワインに仕上がりました。また、2019は亜硫酸を従来より低減している(40→30ppm)ことから、全体的に纏まりが出て飲みやすくなるタイミングが、例年より早くなるものと予想されます。アイテム数が増えた2019、この産地をより一層感じ、お楽しみ頂く一助になればと思います。

    ※2020は新樽の導入が叶ったこともあり、一部を木樽熟成中(白)。2021にはフィールドブレンドの赤ワイン(ピノノワール+ピノタージュ)を本格的に仕込む計画。その土台作りの為に2020極小ロットを「手除梗」&「全房」に分け、実験中、今後の仕込方法の確立に向けイメージを膨らませ準備予定。

     

    【3】ワイナリー自己紹介

    モンガク谷ワイナリーは、2018年に始まった北海道余市町登地区にある「フィールド・ブレンド」に特化したワイナリーです。ワイナリー建屋は、札幌軟石の外壁で囲まれた「半地下の石蔵造り」。2018より順次アイテムを増やし、フィールドブレンド・シリーズ「モンガク谷」を展開して参ります。皆様に北海道・余市におけるフィールドブレンドの可能性と奥深さを感じて頂けたら幸いです

    • 私たちのワイン造り

    私たちは、標高の高い自社一枚畑に異なる品種を植え、7品種のブドウを「混醸(こんじょう)」、主に以下3点をイメージ、野生酵母による自然なワイン造りを目指しています

    1.冷涼産地らしい酸味
    2.適度な苦味
    3.複雑な香味

    ※「混醸」・・・ 複数の原料品種を少なくとも発酵初期段階までに混ぜて醸造すること
    ※「7品種」・・・ピノノワール、シャルドネ、ピノタージュ、ピノグリ、ソーヴィニヨンブラン、ピノブラン、ゲヴェルツトラミナー
    ※当方ワインは、無濾過・無清澄のため、瓶内にオリや酒石、また若干の気泡が 出やすくなっています。ややにごりを感じるかもしれませんが、品質には問題 ございません。澱・酒石が気になる場合は、必要に応じてデキャンタージュを お願い致します。

     

    • ラベルのデザイン

    ラベルとして選ばれた絵本の原画が山の神様の「夜祭り」を表現したシーンであることから、2018の自家醸造開始を機に、従来のラベルをシックなトーンに更新

    色とりどりの丸玉は集った神様たち、お月様を背後に佇むシンボルツリーの杤(とち)の木と神様たちが表現された夜景が、まるでクリスマスツリーのよう 7つの品種から1本のワインとして生み出されるモンガク谷のフィールドブレンドのイメージがこの原画にシンクロすることからラベル原画として採用されました

    また、臆病な幼子の勇気が描かれたこの絵本の英名は「The tree of courage」(勇気の木) コロナ禍の影響がまだ尾を引き不透明感が続いておりますが、必ず好転すると信じていますので、厳冬の中、春を待つブドウの芽のように、辛抱強くじっと待ちたいと思っています

    次の世代のためにも、日常の中のほんの小さな、自分だけのチャレンジを慈しみ、そして明るく、焦らず、じっくりと歩んで行きたいものです

     

    • 畑・栽培について

    <栽培について>

    栽培品種はフランス系品種のみ、ピノノワールをはじめ、シャルドネ、ピノタージュ、ピノグリ、ソーヴィニヨンブラン、ピノブラン、ゲヴェルツトラミナーの計7種。2012年より段階的に苗木を定植。品種に限らず、クローンや台木、接木か自根など、ブドウ畑内に於いても出来る限り多様性を高めている。

    低投入・低環境負荷・不耕起草生栽培を基軸とした、有畜循環型農業を志す。無農薬・無肥料からスタート、栽培3年目からオーガニック認定農薬(ボルドー液、納豆菌等)等を基軸に、原則年1回化学系殺虫剤を使用(初春のウスミドリカスミカメ対策として。2020は不使用)。液肥・堆肥を自家調合(海と山の循環を鑑み、積丹半島のブランドウニ(エゾバフンウニ、キタムラサキウニ)の、非常にミネラル豊富なウニ殻を一定期間風化させたもの、もみ殻、木質チップ等を利活用)。11ヘクタールの広大な園地では季節ごとに様々な恵み(山菜、キノコ、ジビエ)が得られる。土壌などに暮らす目に見えない微生物や酵母たちをはじめ、生き物たちとブドウ畑、そこに暮らす人とが、季節ごとに一体感のある農園作りを目指す。

    <畑について>

    北海道・積丹半島の付け根に位置する余市町登町にある、起伏に富む丘陵地帯の、東からやや北向きの緩やかな斜面。モンガク谷の頂部付近に在る、余市・仁木エリアで最も南方に、かつ最も標高の高い畑(海岸線より約5㎞、標高130~140m前後、約2ヘクタール)。元々耕作放棄地だった果樹園(15年近く放置)を排水工事のうえ再生したもの。
    5万分の1地質図幅「仁木」によれば、モンガク谷周辺の地質は、新第三紀層積丹層群に含まれる余市川累層の凝灰質砂岩(地質図中の「Yu」層、安山岩、安山岩質凝灰岩礫岩及び粗粒玄武岩を伴う)と呼ばれる堆積岩が分布(一部、緑色凝灰岩Green tuff等を伴う)。表層には第四紀の赤井川ローム層と呼ばれる風化した赤色の粘土が堆積、とされる。
    一方、同一畑内でも場所により土質や特徴にバラツキが見られる。