2022.02.08
お知らせ
  • モンガク谷2020 櫤 tamo のご紹介
  • 注)2020櫤はオンラインショップでの販売はしておりませんのでご了承ください。

    ピノノワール主体のアイテム「杤(とち)」とシャルドネ主体のアイテム「栢(はく)」を、特別にブレンドして造られたキュベ、「櫤(たも)」。個人的に経験したことの無い、シャンパーニュの「ベースワイン」を空想し、遊び心をもってブレンドしてみました。2021年度余市町のふるさと納税返礼品として出品することを目的とした限定品の位置付け

    「櫤(たも)」の花言葉は、「幸せな日々」。コロナ過に一定の区切りがついた今、「今」があるという自由を噛み締めながら、強く・しなやかに生きていくと同時に、手を取りあえるこの平和と、そしてこの日々の「幸せ」が続くことを願って

    セパージュ:ピノノワール47%、シャルドネ43%、ピノグリ6%、ソービニヨンブラン他4%
    収穫日: 2020年10月21~11月3日
    澱引日: 2021年 8月30、31日
    瓶詰日: 2021年 9月18日
    アルコール分12.0%、MLF有、内容量750㎖、生産本数456本(ロウ色:茶系)

    自園(北海道余市町登地区)の一枚畑で手摘み収穫した原料ブドウ(平均樹齢7年)を、除梗破砕せず全房のまま、密閉型バルーン式プレス(Sraml社製、1100L)にて圧搾、密閉型ステンレスタンク等にて野生酵母による発酵、澱を例年より多めに残す。2020年12月20日に主発酵(アルコール発酵)終了を確認。翌夏MLF完了後、澱引き・ブレンド(+新樽熟成品)し4アイテムを完成後、更にうち2アイテムを一部のみブレンド(栢51%+杤49%)、瓶詰。メタカリ(亜硫酸塩)を澱引き段階のみ添加(総添加量20ppm)。コルク打栓後、蝋封シール(コルク種:DIAM10、ロウ色:茶系)。

    < 櫤について >

    英名 :Japanese Ash
    分類 :モクセイ科トネリコ属
    原産等:国内では北海道と本州に分布、特に北海道に多い
    誕生花:なし
    花言葉:幸福な日々、未来へのあこがれ
    その他:
    ・名前の元になった「たわむ=強く・しなやか」という特性から野球バット、スキー板、テニスラケット、ホッケー、ボートオールなどのスポーツ用品や、ピアノ、オルガン、薩摩琵琶などの楽器、丸木舟などにも用いられる
    ・箭(やだけ)は武具・狩猟具の「矢」や石・木材を割る楔(くさび)の意味
    ・北欧神話に登場する架空の巨木「ユグドラシル」として描かれる、近縁種のセイヨウトネリコは、9つの世界をつなぐ世界樹(World tree)の一つ。

    ● 2020シーズン所感

    2020シーズンは、開花前に大きな不安を感じさせる状態でしたが、開花期の天候に恵まれた結果、近年稀にみる豊作となりました。一方、収穫期に向けた夏場の日照不足と夜温の高止まりもあり、目標とする糖度・成熟度に届かず、わりと反省の残るシーズンとして幕を閉じました。
    今期は、過去2ヶ年の自家醸造経験を踏まえ、初めて地下蔵の「床暖房」を全く使わずにスタート、自然な「低温発酵」仕込をテーマに行いました。蔵付き酵母が確り定着したせいか発酵に全く問題はなく、むしろスムーズだった印象。4アイテムに増えた2020この産地をより一層感じ、お楽しみ頂く一助になれば幸いです

    ● 2020シリーズ共通

    2020の4アイテムは全てアルコール分が11~12%。特筆すべきは、平均13%とややリッチな2019と比べた場合、かなりライトな印象となっていること。軽やかだった2015及び2017と近いイメージ。造りにおいては澱をこれまで以上に多く残すなど、味わいの深みに繋がるイメージのもと、自然な「低温発酵」をテーマにじっくりと仕込みました。余韻がやや短かめなものの、今回は新たに新樽熟成品をステンレスタンク熟成品にブレンドしたこともあり、軽やかなわりには、苦味、複雑さ、バランスのとれた辛口白ワインに仕上がりました。可能な限りの亜硫酸添加量の低減に向けた自家取組を継続中で2020は20ppm添加(参考:2018≒40ppm/2019≒30ppm)。試飲時点では新樽感がやや強く固く閉じ気味ですので、纏まりと深みを引き出すためにも、最低でも1年、出来れば3年ほど熟成させると大きく変化して来ると予想します。抜栓3日目が好印象。提供温度はやや高め。大きめのグラスでゆっくり温度を上げながら、その変化を楽しみつつ、繊細な香りと味わいを存分に引き出して頂けたら幸いです。ペアリングは、帆立貝、海老、牡蠣などの海鮮をはじめ、多様な食材と出汁の優しい味わいが、複雑かつ重層的に広がる料理、鍋もの、茶碗蒸し、多少なりとも酸をまとった料理、出汁と酢の効いた甘さ控えめの酢飯等がお薦め(※参考:旨味が強めで鮮度の高い生牡蠣にはリンゴ酢が抜群の相性)。守備範囲が広く、日本料理の「八寸」のような、季節や地域性の光る趣向が凝らされた逸品の数々にも寄り添ってくれると期待されます。(1月5日時点)