2022.02.08
  • モンガク谷2020 楢 – Nara –
  • 注)2020はオンラインショップでの販売はしておりませんので、全国の取扱酒販店様でどうぞお求めください。

    フィールドブレンド・シリーズ「モンガク谷」のピノタージュ主体のアイテム、「楢(なら)」。日本においても、未だほとんど栽培されていない無名とも言える品種、「ピノタージュ」の、「モンガク谷」におけるその可能性をチャレンジングに探るシリーズとの位置付け。ヨーロッパにおける「オーク(楢)の存在」(※)のように、皆様に寄り添って頂けるような、驚きと感動を与えられる新しいワイン造りに挑戦します。
    試飲時点では、これまでの「モンガク谷」では感じられなかった、フローラルな香りに包まれ、蜜のような甘やかな印象。抜栓のタイミングについては、楢のつくりである「酋」の字のように長く熟成させることで(※・2~4年)、熟成感と口当たりに変化が出てお楽しみ頂けると思います。世界でも稀にみるピノタージュ主体のブラン・ド・ノワールの今後にご期待ください。

    ※「オーク」:
    古来、ヨーロッパの人々はこの木の木陰を住みかとし、この木から滴らせる蜜をな
    め、その果実であるどんぐりを挽いてパンを作り、養豚の飼料にはどんぐりを与え、
    その大きな枝で小屋をつくり、さらにはオーク材を用いて堅固な船をつくるなど、た
    くさんの恩恵をオークから受け取っていました。オークの豊かな森が、人類に食料を
    与えることで、人はそこを集落とし、定住した森で豚を飼い、材としてのオークを利
    用することで住居をつくり、やがて道路や船を作りました。人類の歴史はオークとと
    もにあり、農業文明、産業文明はオークととも育ったと言えます(引用)。
    ※「ピノタージュ」:
    1925年南アフリカ・ステレンボッシュ大学で交配・開発された品種。フランス品種
    であるピノノワール及びサンソーを交配させたことから、当方ではフランス系品種と
    位置付けています。1960年代に入って初めての商品が上市された、市場でも評価の
    分かれる、歴史の浅いマイナー品種。
    ※「酋」:楢のつくり(旁)で、「長い間熟成させた酒」、の意味がある

    セパージュ:ピノタージュ53%、ピノノワール33%、シャルドネ13%、ピノグリ他1%
    収穫日: 2020月11月 3日
    澱引日: 2021年 8月25日
    瓶詰日: 2021年 9月13日
    アルコール分12.0%、MLF有、内容量750㎖、生産本数2,934本(ロウ色:緑系)

    小売希望価格 3,200円/本(税抜)

    自園(北海道余市町登地区)の一枚畑で手摘み収穫した原料ブドウ(平均樹齢5年)を、除梗破砕
    せず全房のまま、密閉バルーン式プレス(Sraml社製、1100L)にて圧搾、開放型ステンレスタンク等にて野生酵母による発酵、澱を例年より多めに残す。2020年12月20主発酵(アルコール発酵)終了を確認。翌夏MLF終了確認後、澱引き・ブレンド(+新樽熟成品)、瓶詰。メタカリ(亜硫酸塩)を澱引き段階のみ添加(総添加量20ppm)。コルク打栓後、蝋封シール(コルク種:DIAM10、ロウ色:緑系)。

    < 楢について >

    英名 :Japanese Oak
    分類 :ブナ科コナラ属
    原産等:北海道から九州に至る日本全国、アジア北東部に分布
    誕生花:2/19、9/5、9/27
    花言葉:歓待、愛国心、勇敢、自由
    その他:
    ・壺から「酒の香気」があふれる象形から楢という字が成り立つ
    ・古都「奈良の都」の周囲にこの木の林が出来たのが由来とする説あり
    ・酒造りの長(おさ)や一族を束ねる長のこと
    ・ヨーロッパの木々の中でひと際大きく立派になるため「森の王」と呼ばれ、
    生命力や長寿の象徴として崇められてきた

    ● 2020シーズン所感

    2020シーズンは、開花前に大きな不安を感じさせる状態でしたが、開花期の天候に恵まれた結果、近年稀にみる豊作となりました。一方、収穫期に向けた夏場の日照不足と夜温の高止まりもあり、目標とする糖度・成熟度に届かず、わりと反省の残るシーズンとして幕を閉じました。
    今期は、過去2ヶ年の自家醸造経験を踏まえ、初めて地下蔵の「床暖房」を全く使わずにスタート、自然な「低温発酵」仕込をテーマに行いました。蔵付き酵母が確り定着したせいか発酵に全く問題はなく、むしろスムーズだった印象。4アイテムに増えた2020この産地をより一層感じ、お楽しみ頂く一助になれば幸いです

    ● 2020シリーズ共通

    2020の4アイテムは全てアルコール分が11~12%。特筆すべきは、平均13%とややリッチな2019と比べた場合、かなりライトな印象となっていること。軽やかだった2015及び2017と近いイメージ。造りにおいては澱をこれまで以上に多く残すなど、味わいの深みに繋がるイメージのもと、自然な「低温発酵」をテーマにじっくりと仕込みました。余韻がやや短かめなものの、今回は新たに新樽熟成品をステンレスタンク熟成品にブレンドしたこともあり、軽やかなわりには、苦味、複雑さ、バランスのとれた辛口白ワインに仕上がりました。可能な限りの亜硫酸添加量の低減に向けた自家取組を継続中で2020は20ppm添加(参考:2018≒40ppm/2019≒30ppm)。試飲時点では新樽感がやや強く固く閉じ気味ですので、纏まりと深みを引き出すためにも、最低でも1年、出来れば3年ほど熟成させると大きく変化して来ると予想します。抜栓3日目が好印象。提供温度はやや高め。大きめのグラスでゆっくり温度を上げながら、その変化を楽しみつつ、繊細な香りと味わいを存分に引き出して頂けたら幸いです。ペアリングは、帆立貝、海老、牡蠣などの海鮮をはじめ、多様な食材と出汁の優しい味わいが、複雑かつ重層的に広がる料理、鍋もの、茶碗蒸し、多少なりとも酸をまとった料理、出汁と酢の効いた甘さ控えめの酢飯等がお薦め(※参考:旨味が強めで鮮度の高い生牡蠣にはリンゴ酢が抜群の相性)。守備範囲が広く、日本料理の「八寸」のような、季節や地域性の光る趣向が凝らされた逸品の数々にも寄り添ってくれると期待されます。(1月5日時点)