2021.10.22
  • モンガク谷2019 杤 – Tochi –
  • フィールドブレンド・シリーズ「モンガク谷」のフラッグシップワイン、「杤(とち)」。従来(2015~17)のモンガク谷にあたる、ピノノワール主体のアイテム。

    ラベル原画として採用された、絵本「モチモチの木」に出てくるシンボルツリーがこの「杤」の木で、別名「七葉樹(しちようじゅ)」。7品種から織りなされる「杤」の「繊細さ」と「複雑さ」、そしてその「可能性」に向かい合って頂けたら幸いです。

    可能な限りの亜硫酸添加量の低減に向けた、自家取組を継続中で、2018と比べ10ppm引下げ(今回30ppm)。試飲時点では、まるで樽熟したかのような熟成感が感じられるものの、未だ硬く、纏まりが出て開いてくるには少なくとも1~2年ほど時間を要する印象。3~4年後の抜栓により、その高いポテンシャルが開花すると期待されます。

     

    【 DATA 】

    ・Brix 21.6、pH 3.35
    ・セパージュ:ピノノワール75%、ピノグリ8%、ソービニヨンブラン7%、シャルドネ5%、ゲヴェルツトラミナー他5%
    ・収穫日: 2019年10月17~26日
    ・澱引日: 2020年8月29日
    ・瓶詰日: 2020年 9月22日
    ・アルコール分 12.5%
    ・MLF 有
    ・内容量 750㎖
    ・生産本数 2,703本(ロウ色:青系)

     

    【 テイスティングコメント 】

    色は透明感のある淡い黄金色。香りは、ほのかなシトラスの中に、パインのようなトロピカルフルーツ、ハチミツ、洋ナシのコンポート、熟した桃、ハーブ、ほのかに樹木、繊細ながら非常に複雑。味わいは心地よい苦味の中に、スパイシーさと塩味、穏やかな酸、ナッツのような甘み、香ばしさ、ほのかな旨味と複雑さ、長い余韻。辛口、ミディアムボディー。提供温度は16~18℃程度。抜栓直後は硬くやや不安定なものの、翌日など時間を置くと徐々に開いてくる。(2021年1月9日時点)

    小売希望価格 4,200円/本(税抜)

    自園(北海道余市町登地区)の一枚畑で手摘み収穫した原料ブドウ(平均樹齢7年)を、除梗破砕せず全房のまま、密閉型バルーン式プレス(Sraml社製、1100L)にて圧搾、密閉型ステンレスタンクにて野生酵母による発酵、澱をやや多めに残す。2019年12月13日に主発酵(アルコール発酵)終了を確認。翌夏MLF略完了後、澱引き、瓶詰。メタカリ(亜硫酸塩)を果汁段階(10)、澱引段階(20)で添加(総添加量30ppm)。コルク打栓後、蝋封シール(コルク種:DIAM10、ロウ色:青系)。

     

    【 杤について 】

    英名 :Japanese Horse-chestnut
    分類 :トチノキ科トチノキ属
    原産等:日本にのみ自生、特に冷涼な東北・北海道南部に多い
    誕生花:5/21
    花言葉:贅沢 豪奢 大才 博愛 健康
    その他:・別称は「七葉樹(しちようじゅ)」、小葉が7枚であることに由来
    ・十(とお)と千(ち)を掛ければ万になることから「とちの木」を意味する
    「杤」という字が成立、十と千は「たくさんあること」を表す
    ・パリのシャンゼリゼ通りの街路樹で有名な「マロニエ」は近縁種。栗の仲間
    との誤解と欧州で馬の治療薬に用いられた事から「ウマグリ」とも呼ばれる

     

    【 2019シーズン所感 】

    2019シーズンは、昨年とは打って変わって、初夏の開花期に良好な開花結実を迎えることが出来ました。その後の好天がブドウの熟度を例年以上に高めてくれたものの、収穫期までに急激に灰色カビ病が多発し、特にピノノワールに於いてこれまでに経験したことの無いほど広がり、多くの貴腐果が発生した事から、選果収穫にかつてない時間が費やされるシーズンとなりました。独立後2度目の仕込となる今期、収穫後の仕込自体は順調に進み、2018に課題となった「MLF」も全てのアイテムで従来通り問題無く完了。ただ、例年とは違い、収穫に時間を要したことから、かつてなくアルコール分が高く(13%平均)、酸がやや穏やかなものの、苦味、複雑さ、バランスのとれた辛口白ワインに仕上がりました。また、2019は亜硫酸を従来より低減している(40→30ppm)ことから、全体的に纏まりが出て飲みやすくなるタイミングが、例年より早くなるものと予想されます。アイテム数が増えた2019、この産地をより一層感じ、お楽しみ頂く一助になればと思います。

    ※2020は新樽の導入が叶ったこともあり、一部を木樽熟成中(白)。2021にはフィールドブレンドの赤ワイン(ピノノワール+ピノタージュ)を本格的に仕込む計画。その土台作りの為に2020極小ロットを「手除梗」&「全房」に分け、実験中、今後の仕込方法の確立に向けイメージを膨らませ準備予定。